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Mr.Children 「深海」 完成度の高いアナログ的プログレ的名盤

日本人であれば誰もが彼らの音楽を一度は耳にしたことがある、国民的バンドMr.ChildrenがCDバブル絶頂期に打ち出した
ある種、時代錯誤的な超名盤がこの「深海」だ。


Mr.ChildrenがJ-POP界の頂点に登りつめた経緯はウィキペディアに任せるとして、ミスチルとしてのブランドを確立し、ミスチルの音楽であればとにかく売れるという時代にいわゆる「問題作」を突如、日本の音楽シーンに投下したのだ。
「深海」のどこが問題なのか、私が思うに問題は3つある。
1つは90年代に、絶頂期に、まさかのプログレであること。(プログレはググって下さい。)音楽的には懐古的で時代錯誤じゃねって事。
2つ目はとにかくまぁ暗い。暗いです決して華やかでは無いしかし、時代背景を反映出来ている気はする。(地下鉄の事件とか、地震とか、なんとなく世の中が暗い方向に進んでるんかなという事)
3つ目は完成度の高さだ。サウンドがアナログ的なところが良い。

ときたところで曲の実況いきます。

1. Dive
海のSE、こっから深海に潜るよって事で世界に浸れる御膳立てをしてくれています。

2.シーラカンス
ピンク・フロイドのWish you were here 的アコギから始まる。
シーラカンス」という言葉はこの後の曲に何度も出てきます。
突如エレキのリフから曲調が変化、桜井氏叫ぶ。
2番後半から曲調が変わる。ここがプログレである所以の一つ。
正直、カッコいい。難解な感じ何だけど桜井氏の声によりポップ寄りに昇華してしまうのが才能だと思う。
ピンク・フロイドプログレ

3.手紙
前曲の流れのままこの曲に突入1〜3ここまでで一曲と捉えられる。切ない小曲。
ショパンの「別れの歌」を意識したとかしないとか、歌詞は、別れの歌。

4.ありふれた Love Story 〜男女問題はいつも面倒だ〜
男女の出会いから別れまでショートストーリー的ポップソング。
ビートルズのHello Goodbye的なフレーズありーの。
このアルバムの中では珍しいポップ寄りな曲。歌詞はアルバムのコンセプトにも通ずる部分あり。

5.Mirror
The ポップソング。 ミスチル!! 王道!!
て感じで、ミスチルらしさの話にも通ずるけど、
これ好きな人多いよねて大衆寄りな曲この曲を入れてくれるのがミスチルの優しさ。

6.Making Songs
SE デモ音源を繋いだ、まぁ流れ変えるよーてこと

7.名もなき詩
めっちゃ売れた曲。実況する必要無し
改めて聴くと、歌上手いなぁと思う。
またまた書くけど、この曲を入れる事がミスチルの優しさ。

8.So Let's Get Truth
ボブディラン。巻き舌というかコステロ的歌い方というべきか社会風刺フォークソング曲。
良い声ね。

9.臨時ニュース
SE これはコンセプトアルバムだよーて思わせてくれる。

10.マシンガンをぶっ放せ
隠れた名曲、実はシングルカットされた。社会風刺コンドームソング!
アコギのリフが印象的なロック。
(話違うけどこの曲のシングル盤のカップリングの曲はどちらも名曲、エレキが効いててね。)
で、この曲はすげぇアナログな音作りが肝。カッコいい

11.ゆりかごのある丘から
前の曲から繋がってます。
なげぇスローバラード。9分くらいある、この曲の存在がプログレ的価値を上げていると言える。
アルバムには必要な曲、アルバムの完成度がこの曲によってグッと上がってる事に気づきましょう。
シーラカンス再登場、ここで「あ、このアルバムはコンセプトアルバムだ」て思い出させてくれる。

12.虜
キター、ヘヴィでファジーでまさかの3拍子ロック。
歌い方は癖ありすぎ、後半のTake me~のゴスペルコーラスが気持ち良い
ミスチル映画のSplitなんちゃらにSalyu氏とやってるバージョンがさん良いよ。
実は良い曲

13.花 -Mémento-Mori-
これも売れたらしいシングル曲。
特に実況する必要ないが、まぁこの曲の歌詞は深海には必要だとは思う。(一筋の希望の光的な)

14.深海
遂にアルバムタイトル登場、ラストソング。
マイナー調ピアノバラードからの激しくストリングスと共にうねるプログレ作品
ブルージーなギターソロを超えてまた海のSEで終了
最終的には深海から脱出したのか、はたまた深く潜るのかは聴いてるあなた次第です。
曲の展開がカッコいい。ギターソロもカッコいい。

総括
と結果、このアルバムはなんか個人的にも社会的にもなんかすげぇモヤモヤした事、モノを思って、
持って深海に潜ってみたという物語的盤。
深海とは何かって、それは自分の内面であると思うんですよ。
とここまで来ると、めちゃんこ重いアルバムで取っつきにくいなぁと思うかもしれませんが。(実際重い)
90年代のアナログ的録音盤では名盤ですよサウンドがとにかくカッコいいし。
何となく閉塞感がある人、モヤモヤした人におすすめです。
更にモヤモヤするか、気持ちが晴れるかはこのアルバムを最後まで聴いて、
最後の深海のSEを聴いて何を思うかによると思います。
最後のSEに至るカタルシスを味わうのが醍醐味。ある意味どMな人向け作品です。

最後変な事になってしまってすみません。めちゃくちゃ完成度が高いアルバムなので、ぜひ聴いてみてください。
超長駄文失礼しました。